Want(ウォンツ)& Needs(ニーズ)
2026.05.24
「ウォンツ(表面的な欲求・希望)」と「ニーズ(本質的な課題・必要性)」
相談支援の現場で出会う「仕事をしてお金を稼ぎたい」「一人暮らしがしたい」「話を聞いてほしい」といった言葉の数々。
これらはすべて、ご本人の大切な「ウォンツ(表面的な希望)」です。
私たち相談支援専門員は、まずこの思いを100%受け止めます。しかし、ただ文字通りに叶えることだけが適切な支援とは限りません。
本当に大切なのは、その裏側に隠された「ニーズ(本質的な課題・必要性)」を一緒に見つけていくこと。
私たちが目指すのは、その場しのぎの解決ではなく、この先も地域で自分らしく安心して暮らすための「土台づくり」です。
・焦らずじっくり関係を築くこと
・言葉の背景にある感情や環境に目を向けること
・地域のネットワークを交えて多角的にアプローチすること
対話を通じて、ご本人も気づいていない「真のニーズ」を一緒に言語化し、「ここに相談して、本当の気持ちや必要なことが整理できた」と思ってもらえるような伴走型の支援を、これからも大切に続けていきます。
「ウォンツ」と「ニーズ」はどう違う? 具体的例で考えてみます。
ウォンツ「放課後等デイサービスに通わせたい。預かり時間をギリギリまで延長して、土曜日も毎週利用したい。」
ニーズ
「(ご家族)衝動性の高いお子さんでトラブルが絶えず、親御さんは精神的・体力的に限界。周囲に頼れる人がおらず、レスパイト(休息)と、子育ての悩みを受け止めながらチームで支援する体制が必要。」
「(ご本人)適切な伝え方がわからなかったり、見通しを立てたり状況を理解することが苦手でトラブルになってしまう。適切なコミュニケーションスキルや本人がストレスなく次の行動に移れるような環境設定が必要。」
「(地域)ご本人の特性と対処方法を共有し、トラブルを予防するための工夫を検討することが必要。」
ウォンツだけを叶えても、本質的な生きづらさの根っことなるニーズを見極められていないと、サービスをあてがって表面的に解決したような風景をつくっているだけで根本的な解決に至りません。再び同じ壁にぶつかり、課題を放置してきた期間の利息が上乗せされることも。
児童期は特にライフステージに応じた課題を踏まえ、移行を見据えながら、ウォンツとニーズを整理していくことが必要です。
子どもたちの『〜したい』や、親御さんの『こうしてほしい』という言葉は、大切なSOSのサイン・希望の発信ですが、私たちはその言葉をそのまま受け止めるだけでなく『この子が本当に求めている安心はどこにあるだろう?』『親御さんが本当にホッとできる支援は何だろう?』『将来を見据えて、どんな力を身に付けていくことが必要だろう?』と、一歩深く潜って考えることを大切にしていきます。

